ガス冷蔵庫からにゃんにゃかにゃーん

猫(飼ってない)とか身の回りのこと

燐光群 ときはなたれて を見た

冤罪で死刑判決を受けた後に無罪が証明されて釈放された元死刑囚たちの集団独白ドラマ。梅ヶ丘BOXにて。同じく燐光群のCVRをみたスズナリも狭かったけれどここはもっと狭かった。彼らはメッセージ性の強い作品を多く上演するのですべての演目に興味が持てるわけではないのだけれど、つぼにはまればとても興味深く満足できると思う。

例えば戦争関連はイラク戦争には反対だけれども、「戦争」そのものの持つ意味については、自分でまとまった意見がもてないままいろんな言葉が錯綜して結局どんよりとなんとなく「やっぱ平和がいいよね」としか思えずにいるので見に行く気がしなかったのだけれど、死刑に関しては浅原彰晃以後は廃止と言うのが今のところの意見として明言できる。

加賀乙彦の「宣告」と大塚公子の「死刑囚の最後の瞬間」を読んだ後は罰としての死刑の意味について考えたけれど、その後福島章の本(題は忘れたけど新書だったと思う)で「ただ懲罰的に死刑にして命を奪うよりも、生かして研究して予防、防犯に役立てるべき」と言ったような意見を読んで、それに共感した。ときはなたれて、は死刑ではなくて冤罪がテーマなのでちょっと違うけれど、私としては興味ある題材と捉えられた。
感想としては、「自分は無罪だと分かっている唯一の存在である自分」と「その事件の犯人として有罪とされ死刑判決を受けた自分」との折り合いをどうやって付けてきたか、またはどうやって折り合いをつけずに自分を保ってきたのかをもっと描いてあればよかったのにと思った。

アムネスティ・インターナショナル日本
世界人権宣言が守られる社会の実現をめざし、世界中の人権侵害をなくすため、国境を越えて声を上げ続けている国際的な市民運動です。
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