仕事をしていると、どうしても苦手な人や嫌いな人とも付き合わなければならない。「この人さえいなければやりやすいのに」と思うこともしばしば、でも「死んでくれないかな」とまで思う人はなかなかいない。かなり嫌いな人のことであっても、その職場を離れてからもずっとその感情を持ち続けるか、というとそうでもない。えてして思い出というのは美化されるもので、嫌いな人への感情も利害関係が解消されれば軟化すると思う。今だけの我慢と思っても苦手なものは苦手、そんなときにはその人のファーストネームに思いを馳せる。「ああ、この人にも親があって希望を託してこの名前をつけたんだなあ」、そう思うと怒りも少しは収まる。長くは続かなくてもとりあえず掴み掛かったり、取り返しの付かない暴言を吐くことは防げると思う。
そんなことを言っていても唯一いまだに大嫌いな人はいるわけだけれど。
