ガス冷蔵庫からにゃんにゃかにゃーん

猫(飼ってない)とか身の回りのこと

ガン見するニューハーフとガン見される自分

電車のホームや、喫茶店なんかでまったく知らない人にじろじろ見られると「何でなんだろう」と理由を考える。
すれ違いざまなら「知り合いに似てたのかな」くらいであまり気にしないが、お互いじっとした状態だと気になる。


帰りの地下鉄のホームで、ミニスカートの女性に見られているのに気づいた。
自分もつい人を見てしまうタイプなので、まず自分がどんなときに見てしまうかを考えて、自分にあてはまるかを確認する。

  • すごく素敵これはない、あればもっと良い目を見ているはず。
  • すごく変服は冒険していないし、顔はいつも同じなので見られるならいつも見られているはず
  • なにか違うけどそれがなにか分からない。たまに指がなかったり、傷のある人だったりして、気がついてから申し訳ない気分になるアトピーは出ていない。相手もアトピーじゃない。


そこでふと、見てくる女性がちょっと雰囲気が違うことに気づく。
「整形かなぁ」


その女性は細身で、肩下くらいのロングヘア、プリーツの膝上丈のミニスカートにカットソーと無難に上品な装いで、水商売っぽくはない。
胸が不自然に大きいわけでもすごーく化粧を頑張ってる感じでもない。申し訳ないがいわゆる美人という丹精さでもないので「コンプレックスなところを直した整形さん」かと思った。
立ち居振る舞いにちょっとむきになって女らしくしている雰囲気があってなんとなーく「ニューハーフ疑い」の判定を下した。


その彼女は電車に乗ってからも斜め向かいあたりに座って、ガラスに映る彼女と私を見比べる感じで見ている。
「いや、たいていの人は私より素敵だから大丈夫」とエールを送るが届かず。もしかしたらそんなことは当たり前でいかに自分が優れているかを確認していただけかもしれないけど。


そのうちシャネルのコンパクトを取り出したので、マナーはともかく自分自身に興味が移ってほっとした。


が、化粧をする訳ではなく頬を外側になでるようにしている。(マッサージか)と思ったけれど、違う。たるみを取ったらどうなるか見てるようだ。


次に歯をイーっとしている(なにもついてないよ)。と、下唇をびろーんとめくって歯並びを確認。たしかに顎が小さくて、整形に興味のある人やビューティコロシアムを見た人なら、引っ込めたのかな、と思わなくはない。でもその動作がなければ気づかないと思う。


せっかくきれいにしてるのだから、堂々としてればきっと私もなんとも思わなかっただろうに。電車で中村うさぎらしき人物を見たときに感じた「自意識過剰オーラ」をここでも感じた。


ニューハーフかどうかはともかく、整形さんと決めてしまうけれど、きっと直しても直しても気になるところが出てくるんだろう。
「直し」て前より良くなっても、結局以前との比較であって、よほどの美女にならない限り、前の姿を知らない人にはその良さが伝わらないと思う。「前の自分はなかったことにしたいけれど、前と比べないと分からない」これは結構なジレンマだと想像する。

一度直してしまうとバランスが崩れて他が気になり始めもするだろうし、「お金を払えば治る」という思考パターンが身についてしまうだろう。日がたてば衰えても来るし。

*1私自身一方ならぬ外見へのコンプレックスがあるし、整形がやめられなくなる人の気持ちは想像がつく。でも時々考えるのがコンプレックスが本当に解消されたのか、後悔することはないのか、という整形後の本音で、機会があれば聞いてみたい。自分で聞く度胸も機会もないので、そんな本があったら読んでみたい。

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長くなったので、見られる自分の内省は今度してみよう。

※東カリマンタンパタリロに出てくるニューハーフカフェの名前

*1:前にも書いた気がする。でも気になるので今後も書くことがあるかも。